ご相談内容
正社員として雇用された会社に勤務して、1ヶ月間で、すぐ解雇されてしまいました。
会社は、遅刻などの勤務態度を理由にしていますが、遅刻と言っても10分くらいですし、業務に影響はないと思っています。
不当解雇として、会社と交渉したいのですが、1ヶ月の勤務だと解決金はいくらが相場ですか。
解決金の相場
不当解雇においては、ケースバイケースであり、解決金の相場はありません。
解決金を決める要素としては、
1.会社が従業員に退職してほしいという意思
2. 解雇無効の訴えの主張が認められる可能性
3. 従業員の賃金
4. 勤務年数や勤務実績や勤務成績
などを考慮して、解決金が決められます。
金銭解決の統計
厚生労働省の「透明かつ公正な労働紛争解決システム等のあり方における検討会」の資料によると、2016年6月6日付の「金銭解決に関する統計分析」で、労働審判での解決金額は、勤続年数が長くなりると、解決金は高まる傾向にあると結論づけています。
正社員の平均では、月収倍率=5.5+0.33x勤続年数であり、ただし、月収倍率にも幅があるようです。統計上は、正社員の解決金月収倍率は、3ヶ月分から6ヶ月分が多く、非正規雇用の場合は4ヶ月未満が多いようです。
ケースバイケース?
10年以上更新をしてきた契約社員を雇止めした事例では、平均月収10万円の社員に対して、解決金として300万円を支払った事例もあります。
これは、雇止めは無効である可能性が高く、かつ会社として退職してほしかった例です。
労働審判でも、3ヶ月から1年分の解決金を示すことがありますが、これも証拠収集と適切な事実を主張していく必要があります。
本件の場合1か月の雇用期間は決して長期とはいいがたい、ある意味試用期間に近い期間ではありますが、勤労態度が良好であることや、業務実績などを正当に主張することで、解決金の支払いを受けるよう交渉することは十分想定されるのではないでしょうか。