4月のある日、上司に部屋に呼ばれて、これ以上業績があがらないようなので、この仕事を続けるのは難しいと考えている。退職金も少し積み増しすることも検討するので、来月から出社しなくてもよい、と言われました。
突然のことで、何が起こったかわからず、なぜですか?とだけ聞いたのですが、どのように返事がきたかも記憶がありませんでした。とりあえず、部屋を出て、すぐ帰宅したのですが、家族にも何も話せませんでした。
一昨年の業績はよく、会社でも表彰されたのですが、昨年は目標が高かったことや違う条件の環境だったこともあり、あまりよい成績ではありませんでしたが、特に注意はうけていませんでした。
今年に入り、新しい上司が来て、どうしたら業績が改善するか考えて行動してください、と言われましたが、不可抗力の事態もあり、その都度残業して努力してきましたが、目標には到達できませんでした。しかも、目標に達成しなかったのは、わたしだけでなく、同じ課の半分以上はわたしより成績はよくありませんでした。
そして、突然の退職勧告です。これはパワハラに該当するのでしょうか。わたしは、会社を辞めなければならないでしょうか。現在52歳で、すぐに転職先が見つかるとも思えません。
解決にむけて
法律的には、退職勧告の適法性の問題となりますが、今後も会社に残り続ける選択肢を取る観点からも、法的にただちに争うなどの選択は、あまり合理的ではありません。
ひとつの解決策としては、解雇にあたっては、解雇予告義務や解雇予告手に対して手当を支払う義務が労働基準法20条に定められています。予告期間をおかず、予告手当の支払いもなく行われた解雇は、使用者が即時解雇に固執する趣旨ではない限り、解雇通知後30日を経過する、もしくは解雇通知後に予告手当の支払いがあれば、いずれかの時点で解雇の効力は生じてしまうルールも、最高裁の判例によって明示されているのです。
解雇自体には、法人側にも自由がありますので、解雇予告手当の支払いを強要してみたり、解雇理由証明書の交付を求めるなど、手続的に問題がないものかどうか検証し、会社側と話し合いの機会を継続していくのも一つの考え方です。