ご相談内容
いつも服装などキチンとしている女性社員が、香水の匂いが強く、周りの社員からも「頭が痛くなる」とクレームが出ています。本人に、さりげなく伝えたのですが、「これは身だしなみですが、それはパワハラではないですか?」と言い返されてしまいました。
何を基準にどのように対応したらよいでしょうか。
対応方法
注意すること自体は、パワハラになりません。
労働者は、いわゆる上司などの監督者に対して、その業務命令に服する義務があります。しかし、業務命令は無制限ではなく、合理的な内容にとどまっている必要がります。
何を基準とするのかは、合理的だと判断されうる形で注意・指導を行わなければなりません。
いつも服装などキチンとしている女性社員さんとのことなので、周囲に気を遣っているでしょう。とりわけ、女性社員の場合、服装などを根拠もなく指摘することは、セクハラの領域に至ってしまうこともあるので注意が必要です。
とはいえ、セクハラではなく、ある意味でスメハラが成立してしまうことがあります。男性ならたばこのにおいが指摘されることがありますが、女性の場合、香水の匂いが強いことにより、周囲の就労環境を害してしまうことはよくある話です。
実際に「頭が痛くなる」とクレームが出ているとのことですから、まずはこれらのエビデンスをしっかり取得し、上司個人の一見解ではないことを準備してください。
そのうえで、「これは身だしなみですが、それはパワハラではないですか?」と言い返されるようでしたら、実際に、エビデンスをもって話をしてみてください。
その際、誰が言っている、などの個人情報の扱いには注意をしたうえで、まずは注意喚起からはじめてみてください。