セクハラは断固拒否すべき、どうしたら訴えられるのか?

セクハラを受けて、悔しい、悲しい気持ちになっている女性は多くいます。ただ、職場の延長の飲み会だとセクハラにならないのか?派遣社員だけどセクハラになるのか?不倫のもつれからの嫌がらせはセクハラになるのか?
多くの疑問があり、問題を明らかにしたい、会社を訴えたい、慰謝料を請求したい、と思っても、なかなか行動に移せないのが現状です。

また、たとえ問題を提起しても、現場が正しい知識を持てず、加害者はもちろん、被害者に対しても、過度な責任追及をされるケースがあります。

では、まず被害者は何をすればよいでしょうか。また、加害者はどのような行為をしてはいけないのでしょうか?

セクハラの定義と、まず何をすべきか

セクハラは、日常用語になっている和製英語です。ここでは相手方の意に反する不快な性的言動であると定義されます。我が国の法規上、男女雇用機会均等法11条に一応の定義、人事院規則10-10第2条に定義があります。

均等法では、事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な整備その他の雇用管理上必な措置を講じなければならないとされています。

人事院規則10-10第2条は、セクシャルハラスメントについて、他のものを不快にさせる職場における性的な言動および職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいうとされています。

職場がどこまでをいうのか、労働者には派遣社員を含むのか、性的な言動には、たとえば性的な行動は含まれないのか?など、さまざま解釈が必要になりそうな定義ですが、おおむね、以下に分類されます。

それは、対価型セクハラと環境型セクハラです。対価型とは、労働者に解雇・降格・減給等の不利益を受けるものです。環境型とは、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業するうえで看過することができない程度の支障が生じるものをいいます。あまり分類することには意味があるとは思われませんが、とりわけ、不利益を伴うようなものは対価型、そうでないものは環境型であると整理することは可能でしょう。

近時は、LGBT問題の発展により、偏見や誤解が流布しやすい分野であることは指摘すべきでしょう。 ご質問にお答えすると、職場の延長の飲み会でも、セクハラは成立しますし、派遣社員でもセクハラは成立します。なぜなら、職場の延長の飲み会は、構成員が会社のメンバーですし、実質期には業務の範囲内であると説明ができるからです。また、派遣社員でも、対価を得るために労働力を提供していることには間違いがありませんから、セクハラになりえます。不倫のもつれからのセクハラも、当然、成立しえます。

被害に遭い、会社を訴える場合には使用者責任を追及する、職場環境配慮義務違反の債務不履行責任を追及する、調査委員会の対応の不備を主張して債務不履行責任を追及するなどの手段がありえます。

また、加害者に対しても、不法行為責任を追及することが考えられ、上司など監督する立場にある者への使用者責任の追及も視野に入ります。万が一、セクハラの慰謝料請求を受けた場合は、事実関係がなにより重視されるのはもとより、問題を隠蔽する、問題を回避するために、当該行為者に対して過度な不利益処分につながりやすい分野のため、絶対に、まずは事実を認めないようにしたうえ、客観的に検証可能なところから事実の整理をしていく必要があります。

被害に遭って訴えるには、まずは人事部が設置する相談窓口に相談をし、双方のヒアリングから始まるのが通常です。勇気のいることかもしれませんが、双方のききとり・ヒアリングから事実の調査が開始されていきますので、対応していくことが重要です。

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