ご相談内容
私はゲイではありませんが、女性的なものが好きで、綺麗な色の服装や、かわいい持ち物が大好きです。
会社では、ごく普通のスーツを着て営業をしていますが、時々薄いピンクの靴下や、女性ブランドの男ぽいバックを持って楽しんでいました。
最近、新しい男性の上司がきて、彼は体育会系の男ぽい雰囲気なのですが、私の細い体つきや持ち物をみて、「もしかして、君はホモ?」「男性が好きなの?」とからかってきます。
たとえ、本当にそのような性的指向にあっても、それを職場で差別する発言は、ハラスメントではないでしょうか。
LGBTQ
昨今では、性的多様性も話題になってきており、LGBTQに対するハラスメントも問題視されています。
LGBTQとは、
同性愛者の女性(レズビアン)
同性愛者の男性(ゲイ)
異性と同性の両方が恋愛対象である男女(バイセクシュアル)
性同一性障害など出生した性別に違和感のある男女(トランスジェンダー)
性のありかたをきめていない男女(クエスチョニング)
の略です。
セクハラ指針
厚生労働省は、セクハラに該当する許されない行為を「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に対して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」として定めています。
セクハラは、受けた本人が女性でも、男性でも、問いませんが、ましてや、LGBTQを差別する言動そのものは、セクハラに該当します。
LGBTQに対するセクハラ
ご相談者様は、LGBTQではないとのことですが、LGBTQであることを前提として言動や差別は、セクハラに該当します。
従って、「お前はホモだ」「ホモみたいな格好をしている」という男性上司から男性部下に対する言葉は、セクハラに該当し、他のハラスメント被害と同等に、被害者は加害者に対して、慰謝料請求ができます。
また、会社も、LGBTQを含むセクハラを防止するための措置を講じる必要があり、これをしなかった場合は、責任追及される可能性があります。
性的指向による差別の禁止
令和4年度に向けて、「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」の成立に向けて、国会が検討しています。
今後も、LGBTQなどの少数者に対する差別を禁止し、その解消にむけて、積極的に取り組むための法整備が行われるようになるでしょう。