最近、部署を異動したUさんは、新しい部署の仕事を学ぶために、5歳年上のOさんに OJT (On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)現任訓練、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと) 研修として、社内外で一緒に行動していました。新しい仕事は希望していた通り、やりがいのある楽しい内容でしたが、仕事終わりに、毎日Oさんに飲みにしつこく誘われて、断れません。
Uさんは、あまりお酒に強くなく、できれば早く帰宅して家族と過ごしたいと思っています。しかし、仕事を教えてもらっている手前、断ることができず、付き合いとして、飲みにいくのですが、酔ったOさんは、無理にお酒を進めるだけでなく、下品な話をします。
最初は我慢していたUさんですが、楽しかった仕事も夜の付き合いを考えると憂鬱な気分になり、会社に行くことがストレスになり、最近は休みがちになっています。
解決へむけて
Uさんのケースのでは、Oさんによる誘いを断りにくいのは事実でしょう。組織の円滑化の観点からも、飲み会自体を断り続けることも難しいでしょう。
双方に言い分がある中で、組織も円滑にする、望まない飲み会の強要などを防止するには、一定のガイドラインを策定する方法による解決方法も存在します。日本では、あまり活用されていないのが実態ではありますが、単なる飲み会の誘いだと言わずに、明文化したルールをもつことによって、解決することもできることを指摘させていただきます。
ご存知のように、飲み会は、ハラスメントがよく横行する場面です。ここでは、ハラスメントを避けるために、飲み会時のガイドラインの一例をご紹介します。
飲み会時のガイドライン一例
- 懇親会開催は目的を持っておこない、出席を強要しない
- 開催前に「エチケットリーダー」を任命し、不測の事態に備える
- マネジメントの隣席に異性を座らせない
- 飲酒を強要しない
- 相手に不快感を与える「下品な話題」や「芸の無理強い」は回避する
- マネジメントは飲み会終了後、速やかに一人で帰宅する
- セクハラ被害を被った・目撃した場合は、即刻報告・相談する