ご相談内容
家庭用の自社製品を製造、営業している会社の経営者です。営業部の営業員に、ノルマを与えて営業をしていますが、なかなか達成できない部下もいます。このままでは、その営業に基本給を支払うこともできなくなります。
そこで、家庭で使用できる製品なので、部下本人に自社製品を買い取ってもらってノルマを達成してもらえば、目標達成もできると思います。
この行為は法的に違反行為になるでしょうか。
パワハラになる可能性が高いです
会社が、ノルマの達成の代わりに、社員に自社製品の買取を強制することは、パワハラに該当する可能性が高いです。
一般に、会社が部下に、家庭で使用できる製品の買取を勧めることは、問題ありません。例えば、社員販売などで、割引率を深くして、製品の購入を促すことはよくあります。
ただし、この場合、買うか買わないかの判断は、社員にあります。つまり、ノルマが達成できないということを理由に、製品の買取をさせることは、本人の意思で拒否できない状態と判断され、パワハラの可能性が高いということです。
この場合、会社が、部下がノルマの達成ができず、給料や待遇が悪くなるならないように、部下のためを思って、自社製品の買取を勧めたと言い訳しても、これは通じません。
部下に製品を強制的に買わせた場合は、売買契約が強制的に行われたとして、契約を取り消すこともできるでしょう。
今回のご相談では、ノルマ達成の代わりに自社製品を買い取られるせる行為はパワハラに該当するので、止めましょう。
そもそも、能力不足は会社全体で保管していく問題であって、製品の買取によって解決すべき問題ではありません。労働者の多くは、命令ではないかと誤解してしまい、買取に応じてしまうケースもあるようですが、買取は、ある種売買契約の強制であって、パワハラが成立します。