うつ病を何度か繰り返して、半年前から医師の勧めもあり休職していた社員が、精神的に安定してきたので、復職を願い出てきました。会社としては、すでに戻っても適した仕事がないので、復職と同時に退職して欲しいのが本心です。
このような場合、どのように話し合っていけば良いでしょうか。
まず就業規則を確認する
もともとうつ病を繰り返していた状態の社員ですから、会社側としては、適法な休職期間経過後に自主退職するのではないかと認識していることが多いように思われます。
このようなケースは散見されますが、会社側の論理にすぎません。
適法に退職扱いとするには、就業規則中の退職規定が存在するはずです。通常は、退職にするにはどんな条件が必要なのかを確認することから始めなければなりません。そのうえで、復職をするには、会社の産業医など、会社の業務内容を把握している医師の関与が不可欠でしょう。
この場合には、医師の診断を復職・退職の判断要素とすることについての承諾書などを取得するべきでしょう。診断の結果を待ち、復帰できる状況・仕事を他の社員と同様に行うことができる状況なのかを確認し、様子を見てください。
就業状態を確認する
復帰してただちに欠勤などの問題がある行為を繰り返すような場合には、退職以外にも、労働時間の変更や職種の変更などを検討しないといけません。
それでも、委ねることができる仕事がないと判断する場合には、いわゆる退職勧奨になるでしょう。退職勧奨におけるポイントは、本人が同意しやすい状況を設定するように努めることです。また、退職勧奨を受けてしまっているときには、できる限り、他の社員と同様に仕事をすることができるよう、パフォーマンスを維持する・向上することも大事です。