ご相談内容
女性と男性のいる総合職の課長をしています。女性は、出産とともに、1年程度の育児休暇を取得するのが恒例になっていますが、男性ではまだ誰もいません。
最近、これから第二子の産まれる男性社員から、第一子のときは妻が育児休暇を取ったので、第二子では自分が育児休暇を取りたいと考えていると相談を受けました。
彼は、男性が育児休暇を取ると、今後の出世や昇給に影響がでるなら、制度を利用するのはやめようかと悩んでいるとのことでした。
本人の気持ちも尊重したいし、でも現実は、の間でどのように回答するか困っています。
男性の育児休暇
女性社員の間では、一般的になってきた育児休暇で、ある程度妊娠・出産を想定した人員配置も考えられているようですが、男性社員の場合は、まだまだ環境が整っていないようです。
女性の場合は、出産時には、産前産後休暇で必ず休まないといけないですが、男性の場合は、子どもが産まれるからと言って、イコール休暇にはなりません。
特に、男性社員の場合は、本人もそれを理解していて、「自分が休むと仕事が回らなくなる」「他の社員に迷惑がかかる」「将来出席できないかも」という理由で、育児休暇を取りたくても、断念する場合が多く見られます。
ハラスメントの防止
育児・介護休業等に関するハラスメント防止指針 第2の14(3)の2によれば、「事業主は職場における育児休暇等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解決するための措置を講ずる責務」があります。
会社では、育児休業などの申し出を円滑にできるように
①育児休業に関する研修を実施する
②育児休業に関する相談体制の整備
③育児休業の取得に関する事例の収集・提供
④育児休業に関する制度及び方針の周知
など、可能な限りの措置を講ずる必要があります。
部下との会話
ご相談者様のように、男性部下から相談されたとのことですが、ここで「みんな怒るかな」「この時期に育休なんてありえないだろ」「出世できなくなるな」なとと、いう発言は、控えてください。このような発言は、ハラスメントに該当します。
上司が個人的に部下が育児休業を取りたいという請求を取り下げさせることは、「ハラスメント」ですし、制度等の利用を認めないという各法にも違反します。
制度がない場合は、これを機に制度を整備するよう会社に働きかけること、部下の仕事の割り振りについて、チーム内でも協力体制が作れるよう、全員で情報の収集や提供をしあって、話し合える機会を作ってください。
その中で、代替えとなる社員の配置、業務の細分化、人事ローテーションなどを、必要な措置をとっていくことが必要です。
特に公務員の方の方が、私企業より育児休暇をとる文化が根付いていることも指摘でき、より積極的に働きやすい環境が実現されつつあります。