ご相談内容
派遣会社に登録して、数ヶ月くらいで、異なる会社に派遣されて、パソコン関係の事務の仕事をしています。
先週派遣された会社で、周りの正社員の女性から、仕事を覚えない、何度注意しても同じ間違いを繰り返す、仕事を任せられない、早く帰れ、ここに仕事はない、などと暴言をはかれています。確かに、要領はいい方ではありませんが、ゆっくりと時間をかけて覚えていけば、仕事はできると思っています。
派遣会社と契約をしているのですが、派遣先の女性や会社を訴えることはできますか。
雇用形態
ハラスメント対策を講じることを義務付けている男女雇用機会均等法では、会社において、正社員だけでなく、契約社員、パートタイマーなどのアルバイトの非正規雇用の社員、派遣社員など、異なる雇用形態の社員が混在していても、会社が雇用しているすべての社員に対して、ハラスメント対策を講じなければなりません。
正社員や契約社員で、ハラスメントにおいて差をつけることは許されません。ハラスメントは、どうな契約内容でも、ハラスメントなのです。
派遣社員
派遣社員は、派遣先の会社で働いてはいますが、雇用関係においては、派遣元である派遣会社と、雇用契約を締結しています。つまり、派遣先の会社にとっては、派遣社員は、雇用している労働者ではありません。
しかし、「労働者派遣法」において、派遣先の事業主に対しても、派遣元と同様に、セクハラやパワハラなどのハラスメント対策を講じることが義務づけられています。
つまり、会社は、派遣社員に対しても、正社員と同じように、労働者への責任を負うことになります。
派遣社員とのトラブル
派遣社員は、派遣先の会社で長く勤務することがないことから、気軽に声をかけるなどのセクハラや、トラブルになるようなパワハラを行い、被害に会うことも多いようです。
また、派遣先会社でも、トラブルになった派遣社員を、派遣元に連絡して、他の理由で変えてもらうこともあり、このような状態はあってはなりません。
派遣元会社と派遣先会社は、「労働者派遣法」により、派遣契約が締結されていますので、今回のご相談者様の場合も、派遣先会社に対して、働く環境をよくするために、パワハラがあったことを伝え、同時に、直接の雇用契約にある派遣元会社にも、同様に連絡してください。
その上で、派遣先会社では、正社員と同様に、パワハラの事実確認と当該女性への聞き取りなどで、パワハラが事実であったかを確認した上で、女性への注意、降格、異動などの対策をとる必要が生じます。