ご相談内容
結婚してなかなか妊娠しないので、仕事を続けながら、妊活しています。お金もかかるのですが、検査や投薬などで、具合が悪くなることもあり、仕事も休みがちですが、夫の理解もあるので、2年間は妊活を続ける予定でいます。
最近、同僚の女性たちから、「休みが多くて迷惑だよね」「もう年なんだから、諦めたらいいのに」「治療いつまでやるんだろう」と陰口を叩かれていて、子供ができないストレスに加えて、女性社員からのいじめで、妊活と仕事の両立ができません。
妊娠、出産に関するマタハラはよく聞きますが、妊活ハラスメントってありますか?
プレ・マタハラ
近年、晩婚化に伴い、不妊治療を続ける夫婦が増えています。
夫も妻も、病院に通院などして、仕事を休まざるを得ない状況になりますが、妊活中の夫婦に対して、職場の理解はまだまだ整っていないのが現状です。
通称プレ・マタハラ、プレ・マタニティ・ハラスメントとは、妊娠前、妊活中、不妊治療中など、子供を授かるために通院している時期への、職場での嫌がらせのことを言います。
増えるプレ・マタハラ
実際に、令和2年10月に実施された、厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去5年間の「妊娠に至る前に勤務先で妊娠・出産等に関わる否定的な言動(プレ・マタハラ)を経験したと回答した人の割合は、17.1%でした。
男女雇用機会均等法
2020年6月の男女雇用機会均等法と育児・介護休業法のマタハラ防止対策強化として、「妊娠出産に関する否定的な言動」に加えて「不妊治療に関する否定的言動」が追加されています(妊娠・出産等に関するハラスメント防止指針4)。
職場の体制強化
プレ・マタハラも、ハラスメントであり、マタハラです。
マタハラを防止していくには、「ハラスメントの内容」「禁止すべき言動」などを職場で周知していくことが大事です。また、それだけでなく、なぜマタハラ、プレ・マタハラが発生するのかという、「原因」や「背景」を調査する必要もあります。
例えば、妊活中に休暇を取得しずらい風土や、他の人に仕事が回ってしまい大変になる、などの体制の問題もあるかもしれません。
マタハラだけでなく、プレ・マタハラのない、働きやすい職場づくりを行っていくことが必要です。
ハラスメントに関してはどんどん多様化していくので、柔軟な対応も要求されることは指摘できます。