大学の教授の付き合いを断ったら、論文を見てくれなくなりました。これってハラスメント?

大学の法科研究室に通っている女子学生です。研究の後、遅い時間から教授に飲みに誘われることが多く、飲みにいくと、手を握ってきたり、ももを触られたりします。それ以上しつこくされることはないのですが、不愉快なので、だんだん飲み会を断るようになりました。

それ以降、授業で論文をみてほしいとお願いしても、今忙しいなどと言われて、避けられています。このままでは、論文の進まないですし、教授に嫌われたままで卒業できるのかも不安です。

教授や大学を訴えたいとは思っていないのですが、この状態をなんとかする方法はありますか?


解決にむけて

アカハラとは、大学などの高等教育機関において、その構成員(職員・教員・学生)間の立場の違いが大きく、かつ、閉鎖的な組織・人間関係であること、さらには、成績を決定する権限を有しいてる教員に対して学生側が抗議できずに問題が発覚しにくいなどのことからハラスメントが発生しやすい環境にあるのは事実です。

ある裁判例では、国立大学の大学院生が、その指導教授から通勤の車に同乗させられたり、学外でのデートに誘われたりしたことから嫌悪感を抱いたことから自動車への同情をことわったとたん、指導教授からの指導拒否や誹謗中傷があった、他の大学院への転学への受験妨害があったケースがあります。このケースでは、国相手にへの国家賠償請求が認められています。

そのほかにも、ゼミにおいての長時間の叱責やインターンシップへの参加阻止妨害などのケースでも、認められているのです。

本件では、大学側には使用者責任や研究環境配慮義務違反による債務不履行責任の追及が視野に入り、また、アカハラに対する責任のみならず、セクハラに対する責任追及が認められる可能性が高いでしょう。とりわけ、食事の誘いなどもあるという事情があれば、研究活動上の不利益を生じさせているとみることもできるし、良好な環境での研究を行う法的利益の侵害とも、みることができるのです。

もっとも、これらは法律的解決をする場合の話であって、教授や大学を訴えることを予定していないとのことですから、上記のようなただしい法律的な状態を認識・共有した上で、今後の研究にあたってどう進めていくか、話し合いの機会をもちたいことを打診していくことから始めるのがよいのではないでしょうか。

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