ご相談内容
以前居酒屋でバイトしている時に、先輩からどうしてもお金を貸してほしいと、合計80万円くらい貸しました。
その後、お互いバイトは辞めたのですが、ラインなどでやりとりをしていましたが、返済期限が近くなってくると、連絡がとれなくなりました。
以前聞いていた、先輩の住所を訪ねたのですが、どうやら嘘のよで、どこに住んでいるかわかりません。仕方なく、以前バイトしていた居酒屋の店長に事情を打ち明けて、先輩の電話番号を聞きました。この電話番号は、店とのやりとりで使っていましたが、今電話してみると、すでに解約されているようです。
お金を貸した都度、契約書は作成して、署名捺印はもらってあります。
この先、返してもらうために、何かいい方法はありませんでしょうか?
弁護士会照会による調査
相手の住所がわからない、探偵に依頼するには費用が高い、かといって弁護士に相談してよいものかわからない・・実は弁護士は、裁判などの訴訟をすることだけが仕事ではありません。
住所がわからないから裁判ができない、内容証明郵便を送れないなどの悩みにこたえるべく、一定の事実を調査することができます。
弁護士会照会制度とは?
弁護士会照会とは、弁護士法23条の2に規定されている法律上の制度です。
弁護士が主体となって、証拠を取得するときに用いることができます。
たとえば、電話番号だけはわかっているけど、相手の住所がわからない場合には、弁護士は、電話番号から、各通信会社に対して、契約者情報を調査することができます。
ちなみに、弁護士の間ではソフトバンク社に対して弁護士会照会をしても回答拒否になることが多いというのが常識的になっていました。
しかし、最近は、ソフトバンク社に対しても、申請内容によっては弁護士会照会が受け入れられていて、実例も増えています。
弁護士会照会で、何が調べられるのか?
多岐にわたります。もっとも一般的なものでは、
– 銀行口座内容
– 預金元帳などの写し
– 口座開設時の申込書
– 携帯電話に関する事項
– 住民登録の有無
– 婚姻届けの写し
– 離婚届の写し
– 印鑑登録の有無など上げたらきりがありませんが、事例に応じて必要なものを選定していくことになります。
解決に向けて実際に解決した事例では、交際中の彼女にお金を貸した相手の住民票を取得したところ、その住所からはすでに転居済みであることが発覚しました。
除票というものを取得し、そこから次の住所を割り出し、戸籍を取得できました。最終的には、契約書の内容に基づき、交渉をして貸金を返還することになりました。