間接差別とは、女性が満たすことができない、身体的特徴や能力によって、合理理的理由なく差別することを言います。
厚労省で定める以下の3つの措置について、合理的な理由がない場合には間接差別に該当するものとして禁止されています。
3つの禁止事項に注意
措置1:労働者の募集、採用にあたって、身長や体重や体力を基準にするもの
労働者が勤労をする法人を選択し、就職活動にあたって見えないルールが定められてしまっていることがあります。たとえば、身長180センチ以上であり、かつ、体重は70キロ以上の方を限定に雇用するというルールを設定していた会社があったとします。これは、暗に、女性を実質的には雇用しない、形式的には女性でも採用される余地があるように見せかけて、女性を排除しようとしている意図があるのではないかとみることもできます。このような規律が定められている場合には、間接差別に該当している可能性が高いといえます。なお、この場合でも、たとえば運送業界など、一定の合理的なルールであれば、例外もありえます。
措置2:総合職の労働者の募集又は採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることができることを要件とする
実際に子育てをし、たとえば子を私立の学校に入学させてしまうなどの事情があると、転居をするだけでも一大事、実際には転居することは事実上不可能であることも珍しくありません。そうすると、男性だけの単身赴任を強要するかのようなルールにも読むことができ、間接差別を助長しかねないルールといえましょう。ただし、その法人が大規模な支店を展開しているような会社であれば別です。
措置3:労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること
よくあるのは、一定の役職への就任の際に要求される条件を、転勤経験を有していることという形で留保をつけていることです。実はこれは、明示しているというより、黙字にこのようなルール・慣習が形成されてしまっていることが少なくありません。結果的に、一定の役職について転勤経験者ばかりになっていることはよくあることですが、人事のローテーションを組むにあたり、明確に差別していることが読み取れる場合には、間接差別が成立している余地がありましょう。