部下から上司へのイジメ
パワハラは、その名前の通り、上司が部下に対して、拒否できないパワーである上下関係において、行われることが多いのですが、その反対の場合もあります。
地位が下の人たちが集団で、上司をイジメて精神疾患に追い込んだ事件があります(大阪地裁平成22年6月23日判決)。
イジメによるうつ病
この事件は、6級職に昇進した女性が、4級職の女性たちから、「同じ仕事をしているのに高い給料もらっている」などと言われたり、陰口、侮辱、仕事の妨害を受けて、精神的に追い詰められていました。
いじめられた女性は、上司に相談するも、相手にされず会社としても対応はなかったようです。その後女性は、うつ病を発症しました。
業務上災害
イジメられた女性は、会社に対して、うつ病の罹患が業務上災害にあたるとして、療養保証給付を請求しました。
判決では、うつ病は、部下の女性たちからのイジメによるものであること、女性がイジメを上司に相談しても会社が対応を取らなかったことが原因であるとして、業務上災害を認めました。
このように、パワハラは、上司から部下に対してだけでなく、部下から上司に対しても、ハラスメント行為として認められます。