ご相談内容
職場の男性上司と、女性部下の間でセクハラ問題が発生し、人事に相談がありました。
会社で作成しているハラスメント対応マニュアルに沿って、お互いの主張や、周りの人の証言をもとに、セクハラがあったことは明らかになり、男性社員は、相手の女性への謝罪文の提出と、減給処分をだしました。女性側も対応には同意し、セクハラ問題自体は解決したのですが、女性は、この男性社員と顔をあわせたくないので、異動させてくれと言っています。
男性は、プロジェクトのリーダー格で、仕事の内容は優秀であり、異動させることができません。
ハラスメント問題のその後
セクハラやパワハラが職場で発生した場合、通常、問題が確認できた後は、加害者と被害者は、同じ職場、部門など、頻繁に顔をあわせる環境で、働かせることは適切ではありません。
なぜなら、当該問題は解決したとしても、加害者も被害者も人間ですので、やはりお互いによい感情は持たないでしょう。
その場合に、同じ職場で毎日会うと、例えば、加害者が被害者へ、または被害者が加害者に、ハラスメント行為の報復行動にでる可能性、加害者と被害者の間で再度同じ問題が発生する可能性、加害者のハラスメント行動により被害者が信頼関係を回復できない、被害者が精神的打撃が大きくうつ状態になってしまう可能性、などがあるからです。
そのために、一般的には、加害者と被害者の職場を話すことを検討すべきでしょう。
異動できない場合
今回のご相談者様のように、仕事の内容の関係から異動が困難であること、それ以外にも、職場を変えることが転勤に繋がり、家族などへの影響が大きい場合、職場や事務所が一つでありそもそも異動させることができないこと、などの場合があります。
その場合、配置転換できない時は、会社は加害者と被害者と、よく話し合って、同じ職場で仕事をする場合の問題点などを共有し、対応策を検討しましょう。
例えば、
1.どちからも、報復行為は禁止行為であり、もし報復行為を行った場合は、懲戒処分になること
2.二人から、定期的に話を聞く場をもち、どのような環境で、仕事への影響などを聞いて、同じことが発生しないように配慮する
3.二人が上司と部下出会った場合、間にリーダーの人配置して、直接の会話の機会を減らすようにする
4.同じ職場でも、動線を分ける、ドアを変えるなどで、お互いが顔をあわせる機会を減らすようにする
などの対応が考えられます。
もちろん、この4つだけではありませんし、時と場合によっては2だけでも良いかもしれません。ただ、1に関しては周知する必要性が高い事は指摘できます。