流産で辛い思いをしました。産休に該当すると病院で聞いて産前産後休業を申請したら、上司から早く出社するよう言われました。これはハラスメント?

入社して二回目の出産で、産前産後休暇を取得する予定でいました。ところが、妊娠中に状態がよくなく、出産時に死産になりました。

ショックで会社などに報告を忘れていたのですが、病院から死産の場合は、法的には出産と同じ扱いだと聞き、出生届を出すだけでも精神的に参っており、会社にはそのまま産後休暇を取得しようと思っています。

この場合、何が問題で、どのような対応をしたらよいでしょうか。


考えられるとるべき対応

ずばり、法律上は出産と同じ扱いをすることになります。

死産の場合には、子の名前もつけますし、出産と同じ扱いをするのは、辛い経験をした以上、当然とも言えます。法律上は、出産をすると、産後休業期間が生じます。ということは、適法に休暇をとる権利が発生します。ちなみに、「出産」とは、妊娠85日目以降の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶を指すので、出産と同じ扱いができるからです。保険料の免除、就業制限による職場復帰の規律により産後6週間が経過する時点であると定められています(労働基準法65条)。なお、死産の苦しみをのりこえ、職場復帰の時期を早めることにすることができます。総じて、出産と同じ扱いができることは、覚えておいてください。

なお、産前休業は、6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合に就業させてはならないと定めており(労働基準法65条1項)、産後休業は、使用者側は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないと定められています(労働基準法65条2項)。

ここでいう産後休業における「出産」とは、妊娠4ヶ月以上の分娩の事実をいいますので、当然流産と死産も含まれてくるのです。ちなみに、休業中は就業規則に異なる定めがない場合には無休ですが、健康保険による手当として、出産日の翌日以降56日までの間において労働に服さなかった期間には1日につき標準報酬月額のうち30分の1に相当する金額の3分の2に相当する金額の出産手当金が支給されることになります。

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