派遣社員も、加害者だけでなく、派遣先会社や派遣元会社に慰謝料を請求できます。
派遣社員も正社員も、ハラスメントを受けた場合、慰謝料請求はできます。
そもそも、ハラスメントは、セクハラ、モラハラ、パワハラと、多岐にわたるのですが、正社員ではない方が、自分は派遣社員だから・・といって、慰謝料の請求などをためらってしまうケースが多く見受けられます。
しかし、労働者の雇用条件とは無関係に、ハラスメントを受けた場合には、被害を回復することは可能なのです。
その場合、加害者本人への慰謝料請求、派遣先会社へ慰謝料請求、また、派遣元会社もハラスメント被害に対応する義務がありますので慰謝料を請求することは可能です。
法的には、不法行為・使用者責任を根拠とする請求となりますが、いずれの請求も、労働者の区分に関しては制限を設定していません。
むしろ、派遣社員の方のほうが、出向先での境遇に対して、派遣元の窓口に相談をする、また、監督者に相談をする、派遣先の上司に相談をする、など、解決方法が多くあるとも言えましょう。
もちろん、最初の相談先としては、派遣元会社の人事、労務などの窓口もありますし、言いにくい場合は、労働局に相談する方法もあります。
たとえば、派遣先で「このくらいでハラスメントを主張するの?」と返戻を受けるケースが後を絶ちませんが、それであれば、派遣元に相談をする、など、他の選択肢が多く与えられているのが派遣に基づく法律関係なのです。
ちなみに、セクシャル・ハラスメントの加害者側は、被害者に対して、派遣社員であるからこの程度やってもかまわないだろう、などと峻別したうえで行動している、派遣社員のほうが、あと腐れがなくてよいとすら考えている弁解をするケースが多く見受けられます。しかし、法律上は、このような主張を許さない立て付けになっていることは、再確認されるべきです。