映像制作会社にパート勤務しているYは、勤続3年の22歳女性です。小さい映像制作会社で、社長含めて社員は3名で、Yのような臨時雇用者は2名います。普段は、大手テレビ会社の映像を請け負っている会社の下請けをしています。
週5日で、9時から6時まで勤務で、業務内容は社長や社員から、命令された資料作りやコピーなどの雑務をしていました。
最近社長の家庭で問題があったようで、その噂前後から、社長から度々部屋に呼ばれ、一緒に飲みに誘われるようになり、その都度体を触られ、ホテルに誘わわれて困っています。
セクハラだと相談したいのですが、、会社は小さく業務規定もないようで、給料は支払われますが、雇用契約書も特にありませんでした。このような雇用関係ですが、セクハラをやめさせる方法はないでしょうか。他に仕事がないので、会社や社長と揉めることは望んでいません。
対応方法
ハラスメントの成立が確認されると、加害者本人の責任は慰謝料、逸失利益、治療費などの賠償責任を負うのが原則です。
しかし、これだけで諦めてはいけません。実は、使用者側にも、セクハラ・マタハラ防止に関する雇用管理上の必要な措置が講じられていないとすると、責任を問われうるのです。これを職場環境配慮義務といいます。実は、裁判例でも広く承認されつつある考え方です。
派遣社員の方には、明確に労働者派遣法31条が、ハラスメント被害防止のための体制整備などが明文化されており、Yさんのような会社の規模や雇用契約書の不存在などの事情に拘束されずに、ハラスメント対応を取れることになる可能性はあります。