ご相談内容
会社で、数名の部下をもつ部長職をしています。
部下は、女性と男性が半分ずつくらいで、和気あいあいとした、いい雰囲気の職場とだと思っていましたが、先日、匿名メールアドレスの男性から、名前を記載したある先輩男性からにパワハラを受けている、このまま続くようなら、法的措置をとる、とのメールを受け取りました。
名前が記載された男性は、たしかに言葉は多少雑な時もありますが、優秀で部下思いの人だとおもっています。今後、どのような対応をとったらよいでしょうか。
関係者へのヒアリングを行う
匿名のメールだから、相手にする必要はない、と放置することは、厳禁です。
どのような形で情報がきたとしても、それが事実かどうかは、確認する必要があります。特に、この場合は、パワハラをしたという先輩社員の名前が正しく書かれていることからも、虚偽の訴えではない可能性が高いでしょう。
まず、このメールを一人で抱え込まずに、ご相談者様の上司や人事と共有してください。
その上で、まずは本人からヒアリングを行いましょう。相手が匿名であっても、パワハラと捉えられるような言動がなかったかを、話し合ってください。その上で、改善できることが少しでもあったら、注意して行動してください。
また、その内容次第で、同じプロジェクトや親しい社員からも話をきいてみることをお勧めします。ただ、この匿名メールの内容が虚偽であることも考えられますので、情報の取り扱いは十分注意しましょう。
社内の体制
パワハラで訴えられる場合は、その本人に対してもですが、パワハラを許す職場環境であったことも問題なります。
社内は、ハラスメントの対応がどうなっているのかを、今一度改めて整理して、もし足りないことがあったら、整備しましょう。
パワハラに対する社員教育はあるのか、相談窓口は明確で、また正しく機能しているか、パワハラが発生したときの対応プロセスは明確になっているか、などです。
また、今回のご相談者様への、メールは匿名です。もしかしたら、匿名でしかメールできないような職場環境で、報復を恐れれた誰も言い出せなかったのかもしれません。
その点においても、匿名だから事実と異なるのだろうと放置せずに、むしろ前向きに対応しなければならない状況です。
その後の様子
今回は、匿名でのメールのために、誰がパワハラを受けているかはわかりません。
上記のような対応を行った上で、しばらく様子をみましょう。会社として、前向きに対応したということが、相手に伝わって解決する可能性も高いです。
弁護士を通じた責任追及などをすぐに考えるのではなく、今後の人間関係が継続することなども踏まえて、まずは様子を見てみることも一つの手段です。