セクハラは被害者本人の問題です
セクハラは、原則として被害者本人の問題であり、セクハラの有無や内容については、プライバシーに属します。
最近は、成人者であっても親からの相談があると見聞きしています。しかし、セクハラの被害に遭うのは本人です。仮に、成人年齢を超えていない方が被害に遭えば、法定代理人たる地位に基づき、親が子の慰謝料請求などを行うことは適法に可能となりますが、いくら親御さんであっても、法的には、あまり意味のない主張になってしまいます。
とはいえ、親御さんの気持ちもわかりますので、そういった親御さんからの被害申告があったことは受け入れ、本人へのアプローチをしてみる、事情を聴いてみるべきでしょう。
その際は、親御さんがヒートアップしていたとしても、まずは本人との信頼関係の構築を優先してください。相談を聴く側が初動を誤ると、相談者に失望感や不信感を与えてしまうことから、問題が大きくなってしまいます。
一つ、工夫としては、「お待ちしておりました。」「一緒に問題を解決していきましょう」など、温かみのある反応をや対応をすることで壁を下げる努力をする、守秘義務の徹底を説明してみる、メモをとることで安心感をあたえる、など相談の方法に適宜工夫を加えることができるとベターでしょう。些細なことでも相槌をうってみたり、相談者の体調に配慮をしたり、要望を聞き取ったうえでその後の見通しを伝えたり、言い残したことがないか尋ねるなど、やはり温かみのある対応を執っていくことが不可欠です。
ある意味で、親御さんからの連絡ということは、匿名連絡者に準ずるともとらえられることから、匿名では会社側も、その責任を果たすことができず、力になってあげることができないことも、話をしながら伝えていくことが必要になるでしょう。