ある日突然、覚えのないハラスメント行為の通知書をを受け取りました

会社員Oは、勤続15年営業畑一筋で、勤務していました。2年前に課長になり、部下もできて、特に新入女子社員Sには、仕事のやり方を教えて、親切に面倒をみていました。

ある日、Sの弁護士から内容証明郵便が届き、そこには、Sに対するプライベートな誘いや抱きつきキスしたことなど、不適切な違法行為があったことが記述されていました。Sに対しては、好意を抱いていたものの、肩を叩く程度で、キスをした覚えはありませんでした。

酔った勢いで、交際相手について尋ねたかもしれませんが、冗談交じりで、Sも笑って答えていました。


解決にむけて

2人の関係 弁護士からの内容証明が事実の全て正確に記載しているとは限りません。Sは、Sなりの物の見方で請求をしているものですから、事実関係に対して争いたくなるのも自然でしょう。Sさんに対して好意を有していたとはいえ、課長として上司の立場にある以上、部下であるSさんに、命令などをしなければならない局面も生じてくることから、上司の合理的な裁量の範囲を超えているかどうかが問題となります。プライベートな誘いなどはラインでも残っているでしょうから、これを精査して、真実主張されている行為があるのかが問題になり得ます。

行為が社会的許容範囲か 受忍限度論といって、社会通念上のコミュニケーションの範囲であると判断されるのであれば、慰謝料請求などの根拠となる不法行為責任を負いません。これは、違法ではないと判断されることになるのです。本件では、酔った勢いではあるものの、年が離れた異性とのコミュニケーションの範囲を逸脱していると判断されるリスクが高いでしょう。

>

セクハラ・パワハラ・マタハラなどハラスメントに悩んでいる人に、ハラスメント関する、有益な情報を総合的に提供するポータルサイトです。
日本ではハラスメント問題が多いにも関わらず、被害に遭われた方が泣き寝入りをしていることが多いのが現状です。セクハラを受けて悩んでいる方、身に覚えがないのに加害者になった方、従業員にハラスメント問題があったと通達を受けた企業の方、に正しい法律の情報をお届けします。

このサイトは、ハラスメント問題に強い、弁護士 齋藤健博が、運営監修しています。銀座さいとう法律事務所は、年中無休で相談を受け付けています。1人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。