某有名アパレルショップで、アルバイトをしているUさんは、大好きなデザインの洋服を毎日着て、接客をして楽しく仕事をしていました。来店されるお客さんからも、着こなしについて質問されることも多く、Uさんを慕ってくれる方も増えていました。
ある日、店の控え室で、一緒に働いている先輩と後輩に挨拶しても、目をそらされ、その時はわかりませんでしたが、その後ずっと無視されています。思い切って、仲良くしていた後輩に”どうしたの?何があったの?”と聞いても、困った顔をして、逃げてしまいます。店長に相談しましたが、”気のせいじゃない?”と言われてとりあってくれません。
何が原因がわからず、悩んだ毎日を過ごしましたが、結局退職届をだして店を辞めました。
それから1ヶ月して、どうしても納得がいかず、これはパワハラではないかと、同僚、店長、店全てを訴えたいのです。どうしたらいいでしょうか。
解決にむけて
退職届を書いてしまっている以上、合意解約として扱われる可能性はあるといわざるをえません。そうすると、撤回ができるのか、また、辞職の意思表示に瑕疵があったのであると争うことになります。
というのは、使用者側に客観的には解雇事由または懲戒解雇事由が存在しないことを知りながら、これがあるかのように誤信させたケースなどでは、意思表示に瑕疵がある、要は、完全な意思表示ではなかったのであると主張できることがあるのです。実際に、裁判例でもこれをみとめたものがあります。
ちなみに、解雇が無効であると判断されると、解雇時から復職までの賃金の請求が可能となります。これをバックペイといいます。