裁判事例
女性派遣社員が、派遣先の会社の歓迎会で、強度の酩酊状態になり、派遣先の会社の男性社員が、女性をタクシーで送っていく途中で、女性が「まだ帰りたくない」と言ったので、タクシーを降りて、ホテルにチェックインした。
ホテルでは、2人でカラオケを楽しんだあと、女性が寝てしまった。その後、男性は、寝ている女性が拒否したにも関わらず力で抑えて、男性が性交渉に及んだ。そのあとも、女性は寝てしまい、翌日男性からタクシー代を借りて北区した。
その後、女性はセクハラをを受けたとショックで出社しなくなった。女性は男性に対して、セクハラ慰謝料300万円と、働けなくなった逸失利益300万円を請求した。
判決
男性は、女性が「帰りたくない」と発言したこと、ホテルでもカラオケを楽しんだことから、女性が同意の上で性交渉を求めていると思ったと主張した。
しかし、女性は酩酊状態であり、正常な判断ができない状態であったこと、女性が拒否したにもかかわらず、力で抑えて行為に及んだことから、セクハラの不法行為に基づく慰謝料200万円の支払いを命じた。ただし、女性の行為も誘因になったとして、慰謝料200万円の4分の1を減額して、150万円の慰謝料の支払いになった。
女性の同意は、正常な状態で判断でされているか、また、明確に拒否したかが、判断の決め手になったといえましょう。結果、正常な判断ができない状態での誘い、その他には慎重になるべきではないでしょうか。