セクハラ被害でうつ病になりました

ご相談内容

入社した直後から、会社の先輩から、何度も2人で飲みに行こうとしつこく誘われていました。

その先輩は、お世辞にも素敵とは言えない風貌で、周りからも気持ちわるいと言われていたのですが、あまりに毎日しつこく誘うので、1時間くらいなら、と飲みに行ったら、酒の席でも体にべたべた触ってきて、気持ち悪くてすぐに帰宅しました。

翌日会社に行くと、その先輩が、私と付き合っていると周りに噂を立てていて、毎日会社に行くのも辛くなり、うつ病を発症しました。

会社の人事には、伝えたのですが、「ただの噂なんだから、誰も本気にしていないし、気にしないように」「前からストレスに弱いタイプなの?」「最近プライベートで彼氏と別れたって聞いてるけど?」というだけで、取り合ってくれません

会社の席につくと、周りのみんなが、私があの先輩と付き合っていると思っただけで、吐き気がして、仕事にならず、最終的には退職することになりました

私の、うつ病はもともとあの先輩が原因なのですが、どうやって訴えたらいいでしょうか。

行為と損害の因果関係

ご相談者様は、会社の人事に相談に行ったにも関わらず、うつ病は、以前からストレスに弱いタイプである、うつ病は会社とは関係ないプライベートなことが原因ではないか、と言っています。

これが、うつ病、つまり発生した損害があるとしても、これは会社の問題ではなく、別の原因によるもので、その先輩によるものではないと反論をしています。

ご相談者様は、この先、先輩を相手として訴える場合、相手の「不法行為に基づく損害賠償請求」をするわけです。

その請求が認められるためには、不法行為と損害、そしてその行為があったために損害が発生したという「因果関係」が必要になります。この場合、会社は、その行為と因果関係を否定しているわけです。

原因と結果

先輩のセクハラ行為という原因と、ご相談者様のうつ病という結果を、結びつける証拠を丁寧に考えてください。

例えば、ご相談者様がプライベートでは彼と別れたという事実があったとしても、彼と別れてしばらくは悲しかったが、会社では問題なく仕事をしていた、会社で仕事ができなくなったのは、先輩と飲みに行った時点からである、その後会社での噂などを聞いて、体調が悪くなり、休暇を取り出している、などと、いつの時点で、どのような結果があったのかを、しっかり思い出して、説明できると良いと思います。

証拠

原因と結果が整理できたら、その証拠になるようなものも保存するようにしましょう。

彼と別れた時点では、病院に行くようなことはなかったが、その後セクハラ行為を受けてからは、薬を購入したり、病院に行ったのであれば、その領収書やお薬手帳も、重要な証拠になります。

会社の対応

また、今回は会社の人事に相談に行ってもとりあってくれなかったために、退職を余儀なくされています。

これも会社としての不法行為責任を追求できる可能性がありますので、ここでも原因と結果、会社が何もしてくれなかったという原因とその結果で退職することになったとい因果関係がわかる証拠などを保存しておくとよいでしょう。

ただ、証拠はフルで集めようとしても難しいものです。できる範囲のものを、例えば忘れたいからといって捨てることなどがないようにしてください。

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