身に覚えのない、セクハラをしたと、実名でネットに書き込みをされました。

会社員Aさんは、ハラスメントの教育も受け、セクハラやパワハラとは無縁だと思って勤務してきました。
ある日、知り合いからAさんの会社名と実名で、セクハラをしたと詳細に書き込みをされました。行為や相手に身に覚えもなく、家族に知られたらと思うと恐ろしく、早く書き込みを削除させて、また書き込んだ人を特定し、謝罪させたいと思っていますが、可能でしょうか。


SNS上の事実無根の書き込みについて

削除請求

インターネット上の書き込みについては、書き込みが本人のブログなどでおこなられている場合は、書き込み発信者に削除請求をします。

口コミサイトや掲示板などの書き込みについては、発信者が書き込むとその記事の削除、修正ができなくなるようなサイトの場合には、サイトの運営者、管理者、サーバー管理者などに削除請求することになります。救済を求めるには、名誉毀損などに関する記事、そうでない場合でも、名誉権を侵害していると思われる記事など、さまざまかもしれません。しかし、書き込んだものにも表現の自由があり、これが対立している局面であると理解されるので、慎重に対応する分野であることは事実です。

ただ、サイト管理者が、書き込んだ内容を削除してよいかは、管理者が損害賠償責任が生じないかを検討することになります。

つまり、
1 他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があるとき
2 発信者に対して、削除への照会をして、7日以内に同意しない返信がなかったとき

のいづれかの場合だけ免責されます(プロバイダ責任制限法3条2項)。

損害賠償請求

書き込み内容の拡散により会社に損害が生じた場合には、損害賠償請求も可能です。

問題は、書き込み者が不明の場合です。書き込まれた記事が拡散し、会社に損害が生じたり、個人の名誉を侵害された状態の回復にあたっては、加害行為者を特定しなければなりません。

特定のためには、サイトの管理者に対して、発信者のIPアドレスなどの開示を求め、その後プロバイダーを特定し、プロバイダーに対して、記事の発信者情報を求めます。発信者情報の開示請求は、プロバイダ責任制限法4条1項に定めがありますので、これに基づき請求をすることになります。

もちろん、発信者情報の開示は、
1 インターネット上のフォームから行う
2 プロバイダ責任制限法の運用に関するガイドラインに基づき公開されている書式を使う
3 裁判(仮処分)を行う
の方法がありますが、書き込みが掲示板などに投稿された場合には、まずは、掲示板などの管理者に対して発信者のIPアドレスの開示を求めることが簡便でしょう。

IPアドレスから経由プロバイダが判明した場合には、経由プロバイダに対し、市営負傷者によってインターネット条に投稿された記事によって、名誉権が侵害されたことを原因として、記事の発信者情報の開示を求めるという二段階の手順が必要になります。

ちなみに、損害賠償請求をするため、氏名、住所、アドレスなどの開示を求めて認められた例もありますが、発信者情報の開示は、時間もかかり、裁判は必要になる例も多いです。

注意すべき点は、削除請求を先にすると、書き込んだIPアドレスなどの情報もなくなり、後で裁判で請求してもデータがないこともあります。そもそもアクセスログの保存期間の問題が大きく、名誉権を侵害する情報には迅速な対応が必要となります。

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