ご相談内容
結婚4年目で37才、正社員で勤務している女性です。結婚してから、子どもがほしかったのですが、なかなか授かりません。
出産の年齢制限も考えると、早めに不妊治療を行いたいのですが、毎日仕事が忙しくて、産婦人科に行く時間もとれません。
実際に不妊治療を始めたら、体に負担があり、仕事も休む必要もでてくることを考え、会社に生理休暇として申請したところ、前例がないといわれました。
妊活をするために、生理休暇の整備を会社に求めることはできますか?
生理休暇
労働基準法68条には、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定めています。
ここで注意が必要なのは、休暇が取得できると定めているのは、「生理日の就業が著しく困難」な女性であり、生理の女性が誰でも取得できるわけではありません。
生理による女性の体調は、人それぞれであり、大半の女性は生理日でも通常に仕事をしています。
休暇を取得するために、医師の診断書を必要とするほどではありませんが、生理休暇の正当性を争う場合には、職場の同僚の証言などが必要になる場合もあります。
日数
生理休暇の日数も月1日と決められているわけではなく、2日以上でも可能ですが、休暇中の賃金は、特段の定めがない場合は、原則として無給です。
つまり、個人差のある休暇であるために、取得する女性と取得しない女性の間に差別があってはなりません。
休職制度
休職には、会社都合による休職と、本人の都合または本人の責任がある場合の休職があります。
会社都合の休職では、休職の内容に応じて60%から100%の賃金または休職手当が支給されますが、本人に帰する場合は、就業規則で特別な定めなければ、基本的に無給になります。
休職制度の意味は、事情により出勤できなくなった労働者に、会社が一定期間の休職の期間を与えて、解雇を猶予するものであり、休職制度を用いることで、労働者は復職が可能になるのです。
会社の判断
ご相談者様の場合は、会社に生理休暇の制度がないということなので、まずは、会社と話し合ってください。
上記のように、労働基準法68条では、生理により就業な困難になる女性が、休暇を求めた場合は、これを認めなければなりません。
妊活のために休暇できるかどうかも、基本的には会社の判断であり、現状は、就業規則で明示的に妊活のための休暇が認められている例はまだまだ少なく、困難を伴うケースが多いようですが、権利は権利です。