上司が、交際している女性部下だけ贔屓します

ご相談内容

会社の上司が、私たちのチームの女性の一人と交際しています。どちらも独身ですし、将来も考えていると聞いているので、交際することは問題ないのですが、上司は交際相手の女性を贔屓しています。

簡単な仕事を与えているだけでなく、昇進や昇給もさせています。同僚の女性たちからも、彼女の昇給はおかしいと、噂がたち、仕事もやる気がでません。

この上司に対して、セクハラとして訴えることができますか。

対価型セクハラ

セクハラには、対価型セクハラと環境型セクハラがあります。

対価型セクハラとは、職場において、労働者の意に反する性的な言動に対する対応により、その労働者が解雇、降格、減給などの不利益をうける形態のセクハラです。

今回は男性の上司が、部下の女性に対して恋愛感情があり、女性も男性を将来の配偶者として、交際関係にありますので、女性は性的ないやがらせによって不利益を被っているわけでありませんし、逆に性的に言うことを聞かない女性に対してよい仕事を与えないというケースでもありません。従って、対価型セクハラには該当しません。

環境型セクハラ

環境型セクハラとは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により、就業環境が不快になり、能力が発揮できないなど、労働者が働く上で重大な障害が生じる場合を言います。

典型的なもので、女性部下の身体に触れるなどの身体接触型、性的な噂を流す発言型、女性のヌードポスターを貼るなどの視覚型などがあります。

今回のご相談者の場合は、男性上司が特定の女性部下を恋愛関係にあり、その女性だけを可愛がることにより、他の社員が労働意欲を無くすような取り扱いを受けているということで、環境型セクハラに該当します。

管理職としての責任とパワハラ

今回のご相談者様の、当該上司は、管理職であり、恋愛感情があろうがなかろうが、業務において、部下を公平かつ公正に評価する義務があります。

他の社員から見ても、公正とは思われない人事評価を与えることは、他の部下にとっての不法行為になる可能性もあります。

ここで、一つのものの見方としては、パワハラに該当するケースでしょう。ただ、その交際女性との関係が悪化した際にパワハラだと主張することはあり得ますが、ご相談者様がパワハラを主張する場合、あからさまに交際者をひいきすることによって、合理的な理由なく自分に労働条件等の不利益が生じた等の事情が必要となります。

まずは、会社のハラスメント窓口などに相談し、交際している女性への評価が正しいものかの判断を促してください。

会社としては、そのような訴えが会った場合、その事実を調査し、それが事実であれば、恋愛関係のある女性を異動させる、または、男性管理職を降格する、配置転換するなどの対応を行い、会社のとして不公平な事態を是正してください。

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