セクハラで慰謝料とりたい。でも、相場は?

ご相談内容

以前、雇用契約で働いていた職場で、リーダーの方からセクハラを受けました。体を触られたり、夜の誘いのメールをもらい、気持ち悪くなり、退職して、今は違う職場で働いています。

思い出しても腹立たしいですし、自分だけ仕事を辞めたのも悔しく思います。証拠のメールやラインもあります。これを基に、セクハラで訴えて、慰謝料を取りたいのですが、そもそもセクハラの慰謝料の相場っていくらでしょうか。弁護士に依頼して、その費用の方が高ければ、泣き寝入りなのでしょうか。


セクハラの慰謝料

慰謝料は、精神的苦痛を慰謝する目的です。従って、被害者が受けた、精神的苦痛に応じて金額が決まります。セクハラの、態様、関係性、行為の反復、継続性などを、総合的に勘案します。

慰謝料の相場は、精神的苦痛、それによってうつ病などの治療を受けた、それによって会社を辞めざるを得なくなった、などの観点もあります。

また、セクハラ被害は、職場で行われることが多く、セクハラの加害者に慰謝料を請求するだけでなく、事業主にも慰謝料を請求することもできます。

セクハラの慰謝料相場 – 身体的接触を伴う場合

セクハラ行為自体の慰謝料としては、おおまかには身体的接触を伴うもので、50万円から300万円程度、身体的接触を伴わないもので、数万円から100万円程度が多いです

行為の態様からは、手を握る、肩を抱く、キスするなどの行為で、50万円から100万円、抱きつく、押し倒す、胸を触る、などの行為で、100万円から200万円、性器に触れる、性行為をするなどの行為で、200万円から300万円などの裁判例が多いです。行為がより性的であるほど金額が高くなる傾向にあります。

また、行為の態様だけでなく、人格を侵害している、権限を利用している、強要の手段、機関なども考慮されます。例えば、准教授が大学院生に立場を利用して性行為に及んだとして750万円(仙台地判平成11年5月24日判タ1013号182頁)、会社の代表者が知的障害者に対して数度の性的虐待を繰り返した事案で500万円(水戸地判平成16年3月31日判タ1213号220頁)などでは300万円を超える高額の慰謝料が認められています。

セクハラの慰謝料相場 – 身体的接触を伴わない場合

性的会話や誘いなどの身体的接触を伴わない場合でも、慰謝料は、数万円から数十万円程度が多くあります。こちらもセクハラの態様、回数、関係性などから総合的に判断されます。

上司が部下に対して解雇をタテに交際を迫った事例で30万円(大阪地判平成24年11月29日労判1068号59頁)、教授が女子学生に対してその地位を利用して執拗に婚姻を迫った事案で250万円(東京地判平成13年4月27日判夕1101号221頁)があります。

精神的苦痛に伴って発生した費用

セクハラは精神的苦痛を受けますので、それによって心療内科に通う場合も多くあります。その場合、うつ病などの治療費としての医療費も加算して請求することもあります。

また、セクハラは会社で噂になり、業務の継続が難しくなり、退職をう余儀なくされることもあります。その場合、セクハラが原因で退職したという因果関係を明確にした上で、転職にかかる費用、本来ならば通常に仕事をしてれば得られた金額(逸失利益)も請求できます。

使用者が支払うべき慰謝料

使用者が、セクハラの被害者に慰謝料を支払うこともあります。セクハラの加害者の行為が、業務の遂行につき行われた場合の使用者責任を負う場合は、加害者が支払う慰謝料と同様です。

また、使用者がセクハラ対策を行なっていなかった場合は、職場環配慮義務違反としての債務不履行責任または不法行為責任を負うものがあります。これらの場合は、50万円から100万円程度の金額が多いです。

ちなみに、法人側の責任と、個人の責任とは、どちらか一方が果たされたのでいずれか一方が消滅する関係に立つものではなく、裁判例では、双方とも認容されている例が散見されていることも、指摘できます。

慰謝料請求をする場合

このようにセクハラの慰謝料の金額には幅があります。セクハラの被害者として慰謝料請求を求めていく場合、セクハラ被害にあったことの証拠をしっかり集めて、態様、関係性、継続性をよく勘案して、相応の慰謝料を請求していくことが大事です。

今回のご相談では、身体的接触があった、会社を辞めざるを得なかったことなどのをきっちり証拠を集めて、加害者本人に100万円を請求して合意されました。弁護士費用はかかりましたが、セクハラを受けた気持ちを相手にわからせたいというお気持ちにも沿って解決できました。

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