ご相談内容
自宅のトイレットペーパーが、無くなっていて、買いにいく時間がなかったので、事務所にあるトイレットペーパーをカバンに入れて、持ち帰りました。
帰り際に、膨れたカバンからトイレットペーパーが出てしまい、上司に見つかってしまいましたが、たかだかトイレットペーパー1個なので、笑って過ごしました。
ところが、後日、上司からトイレットペーパー1個でも会社の備品であり、会社の備品を盗んだという理由で、懲戒解雇通知を受け取りました。
盗んだことは悪いと思っていますが、解雇になるのは酷すぎます。取り消してもらえますか?
懲戒解雇
懲戒解雇は、社員にとって、生活の基盤をなくす重大な処分です。
社員のみならず、家族への影響もあり、経済的・社会的に重大な不利益をもたらします。
そのために、重大で悪質な行為に対して認められるべきです。
また、行為によっては、懲戒解雇ではなく、反省を促す懲戒処分で済ませることが望ましい場合もあります。
ここで問題となるのは、解雇処分とすることが、実際に行なった行為と比較して相当かどうかなのです。
金品横領
原則として、社員による、金品横領や着服は、懲戒解雇の理由になります。
例えば、銀行員がお金を着服する、タクシーの運転手が賃金を着服する、などは、企業の存在に関わる重要な問題です。
その場合、金額が少なくても、金品横領として、懲戒解雇の理由になるでしょう。
会社の損害
今回のご相談者様の場合は、トイレットペーパー1個を盗んだというだけであれば、会社の損害を考えると重すぎるでしょう。
金品ではなく、事務所の文房具などの備品や会社への贈答品で場合、反省を促すような処分が適切です。
ただし、会社で、備品は持ち帰ってもよいというルーズな風潮になることも好ましくない場合、不測の事態に備えて、社内規則を作成しておくこともお勧めします。
窃盗は当然ですが、横領などないように万全に対策しておけば、信頼してお金を託すなどの業務にも、安心して従事させることができるでしょう。