リモートワークでハラスメント

リモハラとは

リモハラ(リモートハラスメント)とは、リモートワークと嫌がらせを意味するハラスメントを組み合わせた造語です。Webカメラなどを通して、顔だけでなく、容姿、背景、服装、生活の様子などを、スピーカーを通じて、相手に対して、否定的、威圧的、性的な言動を行う行為です。

リモートワークが通常となり、アフターコロナポストコロナ下でも、減ることがないハラスメントです。

リモートワークでのストレス

リモートワークで上司とのコミュニケーションにストレスや不快感を感じたことはありますか?というアンケートにも、何度もあるが41.8%、あるが37.2%と8割近い人が、ストレスを感じています(ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社の2020年5月の調査)。また、同アンケートでは、オンラインでの会議やミーティングをする上で、上司との距離感が近すぎると感じたことはありますか?という質問に対しても、何度もあるが28.2%、あるが35.4%との結果も出ています。

リモハラの例

リモハラで多いのは、パワハラとセクハラがあります。

パワハラ発言
– 見てないところでサボっているだろうという嫌味
– 業務時間外でも、チャットなどで連絡してくる
– カメラ越しに見える部屋に、高そうな部屋だな、とか汚い部屋だなという発言
– 子供やペットの泣き声がうるさい
– リモート飲み会への強要
– リモートワークにかかる経費を自腹で払わせる
– 常にネットにつないでおけという強要

セクハラ発言
– もっと部屋を見せてよ
– その服装パジャマ?
– 業務に関係ないチャットや会議への参加
– 洗濯物を見て、そんな下着なんだ
– 本棚を見て、本の内容を聞かれる
– 深夜に会議がセットされて、ノーメイクででたら、誰だかわからなかったと言われる

リモートワークでの対応

リモートワークが多くなると、それぞれの立場で仕事のやり方が変わってきます。

リモートワークでは、仕事の過程が見えづらく、結果だけが目立ちます。また、会社に在籍しているように、わからないことをすぐに隣の人に聞けず、自己解決能力も求められ、より柔軟に対応しなければなりません。また、普段パソコンやスマホに慣れていない場合、IT能力も求められます。

そのため、会社でもある程度ルールやマナーを話し合ったり、決めておくとよいでしょう。

例えば
– 報告を午前中に定期的に行う
– 成果だけでなく、過程がみえる指標を作る
– 業務時間内は、メールやチャットにすぐ反応する
– カメラを接続するルール(夜はカメラなしなど)を決める
– カメラに映るときは、会社にいるような服装を心がける
– プライベートな話に踏み込まない
– 背景を合成一色にして、部屋を映さない
などに注意してください。

被害を受けたら

リモハラ被害にあったら、基本はハラスメントの対応方法と同じです。可能であれば、相手にいやだとはっきり伝えること、会社や上司に相談する、会社のハラスメント窓口に相談する、です。

会社に相談窓口がない場合、厚生労働省のホームページにも相談窓口が記載されていますし、法テラスや弁護士に相談してみることも一つの方法です。

リモートワークで大切なことは、会社にいるわけではないので、”みんなが同じ環境で仕事しているわけではない”ということを意識することが大切です。

相手の置かれた状況に応じて、相手が不快に思う言動は何か、リモートやサイバースペース下においても配慮していかなければならないということです。ハラスメントは、何も、直接対面しいる人間関係に限定されている話ではないのです。

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