上司2人から、セクハラを受けました

下関セクハラ事件

営業所に勤務する女性従業員に対して、営業所長のみならず、営業所を統括するブロック長からもセクハラ行為を受けた事件です。

以前から匿名電話でセクハラ行為に対して、会社に対して連絡があったため、会社は、幹部会議の席で、総務部長からセクハラ行為について、注意があったにも関わらわず、職場の管理者2人からセクハラ行為を受けた女性従業員が、行為者2名と会社に対して、損害賠償請求をしました(広島高判 平成16年9月2日)。

セクハラの匿名電話

ある食品会社では、匿名のセクハラ行為があると報告を受けた労働関係機関からの電話を受けて、総務部長が、会社の幹部会議で、セクハラについて注意喚起しました。

その注意があった直後に、営業所の所長と女性従業員が、仕事の流れで昼食を一緒に取り、その時、飲酒もした上で、女性従業員が他の男性従業員と噂になっていると決めつけて、「社内不倫している」「お前はサセ子になっている」と発言しました。

女性従業員は、営業所では唯一の女性であったため、結婚していても、普段から男性がセクハラ発言をする環境にありました。

具体的セクハラの行為

女性従業員は、営業所長からの事実ではない中傷を受けた後にも同会社の営業所を統括するブロック長からも、度々、性的な発言をされ、一日に十数回も卑猥なメールを送信され、性交渉を求めるような言動を受けていました。

営業所に他の人がいない時を見計らって、ブロック長は、女性従業員に対して、営業所内で抱きつき「これからホテルに行こう」などと言い、無理矢理、近所のラブホテルに連れていき、性交渉を持ちました。

その後も、ブロック長は、営業所内で、女性従業員に対してホテルに行こうと誘いましたが、それを拒否されると、自身の性器を露出して見せて、逃げようとする女性従業員に抱きついて、営業所の机に押し倒す行動がありました。

女性従業員の告発

女性は、夫と相談の上、実名で会社に被害を申告し、会社の総務部長が、営業所長とブロック長から話しを聞いて、営業所長はセクハラ行為を否定し、ブロック長はセクハラ行為を認めました。

会社は、これを受けて、営業所長は10%の減給と1ヶ月の譴責と懲戒処分を下し、ブロック長には、降格と10%の減給と1年の懲戒処分と転勤を命じました。会社は、そのセクハラ行為があったことを認め、女性従業員にもその処分を知らせていました。

女性従業員の提訴と判決

女性従業員は、この2人の処分を不服とし、会社の対応を不満として、退職後、ブロック長に対し、セクハラの不法行為により損害賠償、食品会社に対して損害賠償を求めて提訴しました。

最終的に、広島高裁は、ブロック長の不法行為を認めて、慰謝料として145万円の支払いと、会社に対しては55万円の支払いを命じました。

セクハラの連帯責任

この事件では、セクハラ行為を行った行為者と会社の連帯責任を認めています。

会社では、匿名電話があった時点で、セクハラ行為があったことを認識していながら、幹部会議で注意換気するのみで、セクハラの相談窓口をつくる、防止策を講じるなどの強力な措置をしなかったことから、セクハラ行為が発展し、違法なものになったと考えられました。

会社は、ハラスメントが発生しないような、職場環境整備義務があるので、それに違反したことで、ブロック長などの悪質なセクハラに発展したと判断されるにいたった事例です。


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