いじめの相談を受けました。学校として、どのようにいじめ問題に取り組んでいくべきでしょうか。

学校に求められるいじめ防止策

いじめ防止対策推進法は、学校に対して、いじめの防止と早期発見、その措置について次の4つについて対応を求めています。

学校いじめ防止基本方針の策定
平成23年10月11日いじめ自殺事件が滋賀県大津市で生じたことをきっかけとして、平成25年には、提言の形でいじめの定義が初めて明らかにされていきました。その後いじめは法律の世界でも関心を集め、いじめ防止対策推進法2条において、以下のように定義されました。

「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等級該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう、とされました。

難しい定義かもしれませんが、要は、加害者と被害者の間における一定の関係、学校や学級はもちろん塾や習い事が一緒などでもかまいません、なんらかのつながりがあることをいうとされています。これは、広い概念であると指摘することができるでしょう。

また、いじめは、心理的、物理的影響を与える行為とされており、たとえば攻撃などの文言ではないことも特徴です。そうすると、仲間はずれや無視や陰口、ライングループから外す行為や恐喝などが考えられます。

いじめ防止基本方針といじめ問題対策連絡協議会
そして、国及び学校に「いじめ防止基本方針」の策定を義務付け、地方公共団体においても策定の努力義務を明確にしました。いじめ防止基本方針とは、いじめの防止、早期発見及びいじめへの対処のための対策を効果的にするための基本的な方針です。基本方針は、⑴いじめの共通理解、⑵いじめに向かわない態度・能力の育成、⑶いじめが生まれる背景と指導上の注意、⑷自己有用感や自己肯定感を育む⑸児童生徒自らがいじめについて学び取り組むこと、を定めお互いを認めあえる人間関係及び学校風土を醸成することを強調しているのです。法律は、いじめの防止を実現するためには、学校の従来の取り組みを見直すこと、子の意見を取り入れること、子の主体的かつ積極的な参加を促すこと、保護者や地域社会や関係機関との連携を図りながら策定を進めていくべきであることが明確化されています。これらは、やはり抽象的な理念に止まってしまうのが現実ですから、いじめ防止対策推進法は、いじめ問題対策連絡協議会の設置をさだめ(14条)、学校、教育委員会のみならず、児童相談所、法務局または地方法務局、都道府県警察が連携を図るものとされています。なお、重大事件が発生すると、調査の主体は学校の設置者または学校が、調査に乗り出すものとされています(28条)。

早期発見と早期の組織対応 

いじめが発生してしまった場合に対する措置として、いじめ防止対策推進法23条は、教職員及びその他の公務員、並びに保護者に対していじめの通報義務を課しています(1項)。学校に対していじめの確認・報告をすべき義務(2項)を定め、いじめを受けた児童等保護所への支援及びいじめを行なった保護者への指導・助言をすべき義務を定めています(3項)、いじめを受けた児童等が安心して教育を受けられるようにすべき義務を課しています(4項)。いじめ問題に対する一般的な措置として、これらの措置を定めていますが、重大事件と判断されると、調査としては28条に定める重大事態への対処をするのに切り替わります。一般的な措置に基づき調査をしていると、重大事件だと判断されることも往々にしてあるのです。


早期発見

ともあれ、早期発見できれば、根本的な原因を除去することもできる可能性があります。16条は、いじめの早期発見のための定期的な措置を定め(1項)、いじめの実態把握に取り組むこと、保護者用のいじめチェックシートを活用すること、過程と連携して児童生徒を見守ることなどが例とされています。いじめに関する通報及び相談体制の整備をも定め(2項)、電話やメールなどで相談を受ける体制を設置し、周知すること、都道府県と市町村が円滑に連携をすること、関係機関と連携をしたうえで解決に当たること(17条)が定められています。

いじめに対する措置(事実調査、支援・指導、保護者などへの説明)
教職員・地方公共団体の職員、その他児童などからいじめの相談を受けるもの、及び児童などの保護者であって児童などからいじめに関わる相談を受けたものはは、通報その他適切な措置を講ずる義務を負います。実は児童には、いじめを目撃した子どもも含まれます。報告などをするだけでは足りず、被害児童等または保護者への支援及び加害児童への指導を含め、加害児童の保護者に助言をすることも義務付けています(3項)。大津市の事件での調査報告書でも、加害者ケアは難しい問題であることを指摘していますが、被害児童と保護者支援はもとより、加害児童への指導と保護者への助言をポイントとしてして指摘すべきですが、保護者は説明責任を果たすことを求め、また、将来にわたって安心して教育を受けられるよう措置を講ずる義務(4項)を定めらているのです。

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