部下の女性を食事に誘っただけで、セクハラと言われました

ご相談内容

最近、異動してきた部下の女性に好意をもちました。会社で彼女に話しかけても、自分に好意を寄せているようで、携帯のLINEも交換してくれました。

将来、真剣に交際したいと考えて、LINEで、「仕事が終わって、もしよかったら、食事にいきませんか」とメッセージすると、「行きたかったのですが、その日は友人と先約があり、行けなくて、とても残念です。また、誘ってください」と返信が来ました。

翌週、また「美味しい店を見つけたので、今週都合のいい日、飲みにいきましょう」と誘ったところ、「ありがとうございます。今週は、実家から通っているので、夜が都合がつきませんが、また誘ってください。」と返信がきました。

なかなかタイミングが合わなかったのですが、会社でも、普通に会話をしていますし、翌週に「ランチでも」とメッセージしたところ、突然「セクハラ行為はやめてください」と返事され、ブロックされてしまいました

その後、会社の人事にも相談されたようです。私は、しつこくもしていませんし、女性は、いつも「また誘ってください」と書いてありましたし、私の行為は、セクハラなのでしょうか。

セクハラ行為

セクハラにはグレーゾーンがあります。

相手方が明確に拒絶の意思表示をしている場合には、やはりハラスメントです。

ただ、通常、食事に誘うくらいではセクハラには該当しませんし、仕事の打ち上げに、飲み会に誘うこともセクハラには該当しません。

いづれも、相手がどう感じているかは、相手の立場に立って公平に考えてみる必要があります。不快に思っていても、NOといえない立場や雰囲気である場合、なんらかの威圧感もありご機嫌をとっておきたいと考えて、社交辞令の返信をしているかもしれません。

本当に望んでいいるかいないかは、お互いの会社での立場は対等ではない、ということを念頭において、慎重に判断してください。

誘い方

今回のご相談者様は、メールで誘ったということですが、誘い方にも注意する必要があります。

仕事の打ち上げなどで、部下を食事に誘うのは、セクハラ行動には該当しません。

ただし、打ち上げという名目で、誘った人が特定の人である、または店が仕事で使う店ではなく、デート向きな店である場合は、セクハラに該当することもあります。

その場合は、上記に記載したように、職場の上下関係にある場合、基本、相手が断れる立場にはいない、ということを念頭においてください。

グレーゾーン

セクハラのグレーゾーンには、さまざまなケースがあります。

部下を励ましてつもりで、軽く肩を叩く、程度でも、セクハラと判断されることもあります。基本的に、職場において身体に触れることは避けた方がいいですし、本人はよかれと思ってやっていても、相手は不快に思うこともあります。

家族において、激励で体に触れることは、よい効果をもたらすことも多いですが、ビジネスの場ではふさわしくないでしょう。基本的に、一度、軽く肩を叩くくらいはセクハラにはなりませんが、やはり、これも頻度や程度で、セクハラに該当することもあります。

また、服装を注意する行為もセクハラに該当することがあります。職場にふさわしくない、服装やマニキュアをしている場合、注意が必要でう。これも、注意するにあたっては、露出度が高い、派手である、などは人によって感覚が異なることがありますので、具体的に色や長さなどを記載したガイドラインがあるとよいでしょう。

そのガイドラインに反している場合に、相手に、仕事をする上でふさわしくないこと、なぜそのような服装がふさわしくないかを、公平に指導することが重要です。

メールで食事に誘う

ご相談者様の場合もそうですが、本当の恋愛感情から、相手を食事に誘っている場合もあります。ただし、食事に誘っているメールも会社の業務メールですと、仕事の一環で、上下関係から従わなければならない、と相手が捉えることもあります。

また、「また誘ってください」も、その時に断っている以上、社交辞令ではないかと、一度立ち止まって考えてみてください。

会社での人間関係は、やはり仕事や上下関係など、複雑な事情があるので、それを踏まえての返事であると考えるなければなりません。

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